ファスナーについて

こんにちは。鞄工房山本メンズバッグセレクトショップの伊藤です。今回は鞄にも財布にも、かならずと言っていいほど使われている機能部品、ファスナーについて書いてみたいと思います。ファスナーっていろんなとこでよく見ますけど、そのわりによく知らないんじゃないでしょうか。根掘り葉掘り調べてきましたよ。

ファスナーの種類について

当店で販売しているバッグや革小物に使われているファスナーには、大きく分けて次の2つの種類があります。

その1.エレメントが金属でできている金属ファスナー
その2.エレメントがコイル状の樹脂でできているコイルファスナー(樹脂ファスナー)

それぞれの特徴、用途に応じて使い分けられています。なんとなくニュアンスで決まってしまう場合も多いです。(これなら用意できるッスよ、あ、じゃあそれでいいッス)どんなファスナーを使っているかで、メーカーやデザイナーのこだわりが垣間見えるかもしれない。

金属ファスナーについて

金属ファスナーとは、エレメントの材質に丹銅やアルミ、洋白などの金属を使用したファスナーです。素材感を生かしたデザインに向いているため当店の鞄にもよく使われています。

銅合金ファスナー

金属ファスナーといえばこれ、というくらい使用頻度が多いファスナーです。主に銅(Cu)と亜鉛(Zn)の合金である、丹銅という金属が使われることが多いです。同じ銅合金で有名なものとして真鍮がありますが、丹銅は真鍮よりも銅の比率が高めなので硬くて丈夫。この丹銅をベースに黒染めやアンティーク調の風合いを出したりなど、バリエーションもけっこう豊富です。

アルミ合金ファスナー

アルミ合金ファスナーはアルミの軽さを活かしたファスナーです。他の金属ファスナーよりも軽くて抵抗が少ないのでスムーズに開閉できる特徴があります。その一方でアルミはやわらかく衝撃・摩擦・腐食に弱いため、やや耐久性に劣ります。われら金属エレメントの中では、あやつの強度は最弱よ、と他のメタル連中からはちょっと格下扱いされているかもしれない。なおスラッシュメタル四天王(BIG4)といえば「メタリカ(METALLICA)」「メガデス(MEGADETH)」「スレイヤー(SLAYER)」「アンスラックス(ANTHRAX)」です。ファスナーとは全く関係ないですが、よかったら覚えておいてください。

洋白ファスナー

洋白ファスナーはニッケル合金(銅、ニッケル、亜鉛を配合した銀白色の合金)を使用したメタルファスナー中で最も強度の高いファスナーです。ニッケル合金なので100円硬貨のような色あいです。ニッケル+革の組み合わせは、一歩間違うとお兄系の匂いが漂ってきますが、うまく組み合わせるとオシャレで感度の高い質感になります。当店ではきれいめなビジネスバッグを中心に使われています。

EXCELLA(エクセラ)

エレメント1つ1つに光沢研磨をかけたYKKの最高級ファスナーです。たぶんexcellent(最高の)から由来してるであろうことは想像に難くない。さてYKKのカタログには、「エレメントひとつひとつの全面に入念な磨きをかけた滑らかなファスナーです」と書いてあります。とどめには「品位・風格ともファスナーの貴婦人」とまで謳っております。イヤハさすがです。おかげで普通の合金ファスナーよりも滑りが遅いゆっくりめです。だって貴婦人ですから。庶民ファスナーのようにセコセコ動いたりはしないんです。ボクは精神的貴族に位置するってやつです。でもスライダーの動きが渋いわけでも、どっかに引っかかるでもなく確実に開きます。精度を高めた結果、部品同士がかっちりかみ合うからでしょうか、軽快さはないが一度動かせば必殺必中。という印象です。磨きをかけているためエレメントの1コマ単位で美しく、見栄えもするので高級志向の商品に使われています。だって貴婦人ですから。

コイルファスナー(樹脂ファスナー)

かみ合わせの部分がナイロンもしくはポリエステルなどの樹脂でできていて、コイル状に連続成形されているファスナーです。コイルファスナーは1コマ1コマの目が細かいので、飛ばしてかみ合ってしまうのが泣き所です。これって誰もが一回はやったことあるんじゃないでしょうか。金属ファスナーのほうが見た目頑丈そうに見えますが、実際は5番ぐらいの大きさのコイルファスナーを使ったほうがスムーズに作動して耐久性がありますので、ファスナーとしては理想形になるそうです。じゃあどうしてコイルがあんまり使われてないかっていうと、見た目が…ね。内装のファスナーポケットには使われることが多いです。実力はあるんだけど日陰の存在なんです。

ファスナーとジッパーとチャックについて

通常、ファスナー(fastener)という呼び方が業界的には主流ですが、それ以外に、ジッパー(zipper)やチャック(chack)という呼び方もあります。ちょっと調べてみました。

ファスナー(fastener)
英語では fasten とは、締めるとか留めるという意味です。この fasten にerをつけることで、締めるやつ、という意味になります。英語におけるファスナーは、ざっくり言ってしまえば締結部品の総称であるため、あのバリバリ剥がすマジックテープやホックボタン、ねじなんかもじつはファスナーの範疇に含まれます。

ジッパー(zipper)
zipは英語ではビューという音、飛ぶ弾丸などの音、または布を裂く音をあらわす擬音。このzipにerをつけることで、スピーディーに動くやつ、という意味に。ジッパー(zipper)という呼び方は商標名でしたが、アメリカをはじめ英語圏を中心に広く世界に通用しています。ということで海外で困ったらとりあえずジッパーって言っとけば大丈夫かもしれない。

チャック(chack)
チャック(chack)は、日本初の国産ファスナーを製造発売した「日本開閉器/チャック・ファスナー」社の「チャック印」という商標名が名前の由来になっています。チャックって英語じゃなかったんですね。チャックという商標名は巾着をもじってできたんだそうですが、本当でしょうか。あいにく製造元の日本開閉器はなくなっているため事実確認ができませんでした。英語にもチャック(chuck)って単語があるだけにややっこしいです。もう1つ英語でチャックといえば、チャック・ベリーのジョニー・B.グッド (“Johnny B. Goode”)。ジミヘンが1967年6月のモンタレー・ポップ・フェスティバルでカバー演奏したテイクが個人的にはいちばん好きです。というところで本日はこれまで。

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